[宮崎県美郷町]人生の大切な経験 百済の里 美郷町での5年、そしてオサラバ。
こんにちは。私は、宮崎県美郷(みさと)町教育課で5年間国際交流員として人生の夏休みを過ごした金チョロンと申します。
美郷町は、人口4,000人ぐらいの山奥の町で、交通も不便で有名な観光地もあまりない地域ですが、30年前から韓国の国際交流員が働き続けている韓国とゆかりのある地域です。
今、この記事を読んでいる皆様は疑問を持つと思います。
一体、美郷町はどこにあって韓国の国際交流員は何故30年以上働いているか。
短いですが、5年間美郷町で過ごしながら感じたことと、魅力を紹介したいと思います。
1.百済の里そして師走祭り
日本・九州の南東部、宮崎県の美郷町には「百済王の伝説」があります。
1300年前百済王の一族が内乱から逃れて、宮崎にたどりついたとされていて、美郷町の神門神社には、福智王(ふくちおう)の父禎嘉王(ていかおう)が、同じく宮崎県にある木城町の比木神社に息子の福智王(ふくちおう)がそれぞれ神として祭られています。
毎年陰暦12月(陽暦では1月下旬の金、土、日3日間)には、2泊3日の日程で木城町にある比木神社の一行が、美郷町南郷の神門神社まで、およそ90kmにおよぶ「決まりの道」を巡行し、百済の王族の親子が年に1度対面する儀式が起源とされる師走祭りが盛大に行われます。
住民たちが観光客や百済の王族の親子を迎えてくれる師走祭り行列を見ると、韓国人として感謝の気持ちと感動でいっぱいになります。
2泊3日の日程の中で一番のハイライトは、1日目の18時頃に美郷町南郷で行われる「迎え火」です。
祭りの前に住民たちと一緒に櫓を高く積み上げながら作ります。
高さ10mぐらいの櫓が約30基ほど燃え上がりますが、迎え火としての意味があり、神門の地主への挨拶の意味が込められています。その光景は、本当に圧倒的です。
最後の日は、別れの悲しみを隠すために「へグロ塗り」が行われ、神と別れる儀式があり、比木神社の一行が神門神社を去って行きます。
住民たちは炊事道具を手に「オサラバ-」と声を上げて見送ります。
オサラバ-とは、韓国語で「生きて再び会いましょう:サラボジャー」の意味が込められています。直接見るとうるっとしました。
1300年以上続いてきたこの祭りからは、現地の方の温かさを感じることができます。
百済の館
韓国で過ごした時より頻繁に使った単語「百済!」
美郷町南郷地域を「百済の里」と言います。百済の伝説が縁になり、美郷町と忠清南道扶餘(プヨ)邑は1991年から姉妹都市です。
百済の館は、日韓交流のシンボルとして美郷町に作られた資料館です。扶餘(プヨ)にある王宮の「客舎」をモデルにしていて、韓国から丹青(タンチョン)師を招いて丹青を施しました。日本にいながら韓国を感じることができるスポットです。
2. 仕事終わってなんしたと?
美郷町で5年間過ごしながら変わったところは、空をよく見ることと、自然がこれまで以上に好きになったことです。
そして、美郷町では蛇、蛙、タヌキ、猪、鹿、猿など様々な動物に会うことができますが、この記事を読んでいる方の中で美郷町の訪問を予定している方は安全運転して来てください。
「人より動物に気をつけて!!」
美郷町役場での勤務時間は8時30分から16時30分まで。退勤後は、美郷町でヒーリングしながら余暇の時間を過ごし、キャンプをしたり、星を見たり、蛍を見たり、温泉に行ったりしました。
美郷町にはキャンプ場がなんと3カ所もありますが、その中でも板ヶ原オートキャンプ場は、よく利用したところで好きな場所です。
料金は無料で、すぐ前に川があるので水遊びもできます。何より星がよく見えるところでバーベキューをしながら星を見た良い思い出があります。
友達が遊びに来たら、日帰りキャンプによく出かけ、友達みんなに満足してもらえる場所でした。
その他にも温泉が2ヵ所もあって、キャンプ後には温泉に寄ったりしました。
まず、西郷温泉「美々川」。豊かで良質な源泉と美人の湯で知られています。開放感が溢れており、川が見える露天風呂があります。
私がよく利用した美郷町南郷に位置する「南郷温泉山霧」。
百済王族が祭られている神門神社の裏山から温泉が湧出して、南郷温泉が誕生したとされています。そういった背景から百済王族からの贈り物とされており、泉質は炭酸水素塩温泉で肌に優しく「美肌の湯」と呼ばれています。
温泉の中にはレストランもありますが、ビビンバとチキン南蛮がおすすめです。
1. 美郷町でなん買っていく?
①栗きんとん
美郷産100%の栗と砂糖だけで作った栗きんとん。栄養価の高い栗で作った栗デザートです。見つけたらぜひ買ってみてください。
②金柑
今まで食べた金柑は金柑ではないです。(個人差があります。)
宮崎県の金柑ブランド「たまたま」は、美郷町の山間地で寒暖差を利用し、ハウス栽培した「完熟きんかん」で、甘くておいしい果物です。そのままでも美味しいですが、きんかん甘露煮もおすすめです。
③ゆずドレッシング
美郷町南郷産ゆずを使用したゆずドレッシング。ゆずの皮と果汁の爽やかな風味が人気の商品です。
友達にゆずドレッシングをたくさんプレゼントしましたが、その中の一人は、気に入ってくれて、ふるさと納税でゆずドレッシングを注文するほどハマってくれました。
4.美郷町観光協会で主催する体験イベント
①MISATO DE SAUNA joki
組立式で川の近くに設置できる「MISATO DE SAUNA joki」
Joki「ヨキ」はフィンランド語で川。川でアウトドアサウナがお楽しみいただけます。
②スウェーデントーチ作り体験
美郷町の木材(杉、檜、クヌギなど)を使用して、実際にチェーンソーでスウェーデントーチ作り体験ができます。
この他にも美郷町では、様々なアクティビティやツアーが体験できます。
興味ある方は、ホームページをチェックしてみてください。
https://www.visit-misato.jp/
5.美郷町はどこ?行ってみようか?
宮崎県美郷町は、宮崎県北部中央山間部に位置してあります。
宮崎空港から車で1時間30分の距離にあるので、旅行にお越しになる際はレンタカーで、美郷町と一緒に日向市や高千穂町を旅行することをおすすめします。
町の92%が山林なので、豊かな縁の自然を感じることができます。
国際交流員に合格した際、周りの人々に「宮崎県に行くことになりました!」と言うと、「何?宮崎駿?」との答えが返ってきました。
この記事を読んで、宮崎と言えば、宮崎駿ではなく、「情に厚い人々と、自然を感じられる宮崎県美郷町」を覚えていただければ嬉しいです。皆様オサラバ-。