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Another Sky-第2のふるさと-

  • 〔福岡県〕ふくおか、ふと行こうか?:グルメ・小都市を巡る癒しの旅
  • 2025-02-13
  • ソン・ソヨン

    福岡県 2019年4月~2024年4月 CIR

  • ふくおか、ふと行こうか?:グルメ・小都市を巡る癒しの旅

     (提供:福岡観光連盟)

     韓国人が多く訪れる日本の都市として東京、大阪と肩を並べる福岡は、九州の玄関口であり、地理上、韓国と最も近い日本の大都市です。活気に満ちた都心と豊かな自然、そして多彩な料理で世界中の旅行者たちに愛されており、世界一のシェアを誇るガイドブック「ロンリープラネット」が発表した「Best in Travel 2023」において、日本から唯一、食部門に選ばれた美食の都市でもあります。それだけあって、食に対するプライドも高いと言えます。

     私は、5年間福岡で国際交流員として働きながら数多くのグルメを発掘し、Google Mapにレビューを作成して福岡グルメデータを集めました。ここですべてのお店を紹介することはできませんが、福岡の代表的な3つの料理をご紹介しながら、私が実際行って来たお店の住所を添えたいと思います。
     
    (提供:福岡観光連盟)         (提供:福岡市)

     まず、活発な食文化の花を咲かせた福岡で、必ず食べるべきものがあるとしたら、私は最初にもつ鍋を挙げたいです。福岡の冬の定番料理であるもつ鍋は、味噌や醤油ベースのスープにキャベツ、ニラ、ネギなどの新鮮な野菜やホルモン、豆腐などを入れて煮込んだ料理です。ぷりぷりした食感のホルモンと、スープがしっかり滲んだ野菜を先に食べて、締めにうどんやちゃんぽん麺を入れて食べたり、雑炊にして食べるとまさに完璧な一食です。スープそのものの味を楽しんでもらってもいいですが、九州の特産品の一つである「柚子胡椒」を添えて食べると一層風味が増します。
     もつ鍋は韓国人の間でも人気がある料理で、辛いものが好きな韓国人を攻略するために赤カラスープを出しているお店も最近よく目にします。日に日に気温が下がっている今、私は赤カラのスープに、締めのちゃんぽん麺を思い浮かべます。皆さんはいかがですか? 醤油と味噌、それから麺と雑炊、どちら派ですか? どれを選んでも、後悔することはないでしょう。

    (私の)おすすめのお店
    肉が一番 1 Chome-5-10 Takasago, Chuo Ward, Fukuoka, 810-0011
    - ボリュームと味が素晴らしい!
    前田屋 2 Chome-9-20 Hakataekihigashi, Hakata Ward, Fukuoka, 812-0013
    - 赤からもつ鍋ならここ!

    (提供:福岡観光連盟)

     次にご紹介したいのは明太子です。明太子は福岡の名物で、明太子を抜いて福岡を語ることはできません。韓国の「ミョンランジョッ(명란젓)」にルーツを持っている明太子は、スケトウダラの韓国名である「明太(명태)」をそのまま使って、めんたいと読みます。そこに卵を意味する「子」を付けて明太子になったのです。もともと日本語では「明」を「メイ」または「ミョウ」と読みますが、「メン」という読み方は近代韓国語時代の東南方言に由来したとされています。
     この明太子を福岡の名物にしたのは「川原俊夫」という人物です。釜山で生まれた川原俊夫は、戦後に日本に戻り、釜山で食べた明太子の味を忘れられず、自分で漬けて食べたりしていました。それをまた日本人の口に合わせて調理法を調整し、商品化したのが「辛子明太子」なのです。彼は日本最大の明太子企業として知られる「ふくや」の創業者であり、こんな彼の一代記は、テレビドラマ「めんたいぴりり」によく描かれています。


    (提供:福岡観光連盟)

     韓国にルーツを持っていますが、むしろ日本で多く愛されている明太子は、明太パスタ、明太フランス、明太マヨ、明太重、明太おにぎりなど、様々な形で消費されており、これらのメニューが逆に韓国に入ってきています。このように明太子をアレンジした料理がたくさんありますが、アレンジしなくても、ただ白いご飯にエゴマ油をかけた明太子さえあれば、ご飯が進みます。

    (私の)おすすめのお店
    福太郎café 1 Chome-1-1 Gojikkawa, Minami Ward, Fukuoka, 815-0001
    - 明太子の聖地!明太定食がおすすめ
    椒房庵 812-0012 Fukuoka, Hakata Ward, Hakataekichuogai, 1−1 9F
    - 明太子と鯛が一緒に楽しめるめん鯛まぶしがおすすめ。玉子焼きも絶品!

    (提供:福岡市、福岡観光連盟)

     最後にご紹介したいのは博多ラーメンです。博多ラーメン=豚骨ラーメンですが、匂いのため好き嫌いが分かれます。一回その魅力にとらわれたラーメンマニアは、さらに濃厚なスープを求めて今日も博多の街を彷徨います。匂いや脂っこさを抑えるために鶏だしを混ぜたり、胡椒やニンニク、タレなどを提供するお店もあるので、豚骨ラーメンが苦手な方にはこれらをおすすめします。 
     一方、博多ラーメンといえば、替え玉が欠かせません。替え玉は、福岡県の長浜ラーメンがルーツと言われ、主に博多ラーメンを中心に広く行われています。替え玉をする時も、麺の硬さが選べますが、博多ラーメンにおいて麵の硬さは、「バリカタ」が広く愛されています。バリカタはカタよりも硬い麺で、バリと言うのは「とても」「すごく」という意味の博多弁です。麺を茹でる時間は15~20秒と、非常に短い時間ですが、歯ごたえがあってマニア層に根強い人気があります。

    (私の)おすすめのお店
    Shin Shin 3 Chome-2-19 Tenjin, Chuo Ward, Fukuoka, 810-0001
    - 一〇よりしんしん!
    元祖ラーメン長浜家 10-242 Kamikawabatamachi, Hakata Ward, Fukuoka, 812-0026
    - 韓国人には馴染みのあるスープの味!

     美味しい食べ物でお腹を満たしたなら、次に福岡の周辺にある魅力的なスポットを旅してみましょう!福岡を訪れる旅行者は、主に天神や博多のような都心に滞在しますが、繁華街から少し足を運ぶと、素朴で魅力的なスポットが旅の深みを増してくれます。インスタ映えする多くのスポットの中で、今日私がご紹介したい所は糸島、北九州と柳川です。
     (提供:福岡観光連盟)

     福岡市内から車で約30分離れた所に、美しい海岸と独特の芸術感覚が溢れる小さな町、糸島があります。特に、桜井二見ヶ浦海岸にある海の上の真っ白な鳥居と夫婦岩が見どころですが、そこから少し離れるとまた異国的な商店街が並んでおり、日本のおもむきとまるで外国のような雰囲気が共存する所です。
    (提供:福岡観光連盟)

     夏の糸島では、海だけでなく渓谷も一緒に楽しめます。涼しい「白糸の滝」の前で写真を撮ったり、自分で釣ったヤマメを焼いて食べたりしてみてはどうですか?釣りに興味がなければ、代わりにそうめん流しという選択肢もあります。
     糸島を満喫するにはレンタカーを借りるのが一番いいのですが、バスも通っているので公共交通機関を使っての旅行もできます。時間はかかるかもしれませんが、時には一日くらい都心から離れ、のんびりと旅をするのも悪くないでしょう。

     
                                            (提供:福岡観光連盟)    

     次にご紹介する北九州は福岡北部にある都市で、歴史と現代文化が絶妙に混ざっている所です。特に「門司港レトロ」エリアは北九州の代表的な観光地で、明治時代や大正時代の洋風の建築物が並んでいてフォトスポットとしても有名です。
     
                                             (提供:福岡市) 
     
     また、北九州八幡西区にある「河内藤園」は、CNNが選んだ「日本で最も美しい場所31選」の一つです。季節ごとに美しい花が咲き、特に春に見られる100mに至る紫の藤の花トンネルは、まるで童話の世界に入ってきたような経験をお届けします。秋には約700本の紅葉が絶景です。年に2回、春と秋に河内藤園が贈る美しい風景の中に入ってみましょう!

    (提供:福岡観光連盟)

     最後に、福岡南部の悠久の歴史を持つ小さな水郷の町柳川では、四季を通じて様々な見どころと体験を満喫することができます。春には大藤祭りが開かれ、夏には柳川ひまわり園を埋めているひまわりの中で写真を撮ることができます。また、秋には五色に輝く水辺をほおずき提灯で飾られた舟が3時間の幻想の世界に誘い、冬にはこたつ舟に乗って川下りをすることができます。川下りは一年中体験できますが、冬のこたつ舟はもっと特別な経験になるでしょう。
     一方、柳川はうなぎ料理でも有名です。 船遊びの後に食べるうな丼は、断然最高です。来たる冬、柳川のこたつ舟とうな丼を楽しんでみてはいかがですか?

     今回はこのように3つの料理と3つの観光地を皆さんにご紹介しました。私にとって福岡での5年間は、福岡の魅力を再発見するきっかけになり、今では私にとって第二の故郷のような存在となりました。たびたび「福岡は観光地が限られていて、別にやることも多くない」という話を聞くと、なんだか悔しい気持ちになります。私の投稿が、もっと多くの方々に福岡の真の魅力を感じてもらえるきっかけになれば幸いです。