大分県は別府や湯布院などの温泉地として韓国でもよく知られた地域ですが、「日本一のおんせん県おおいた」というキャッチフレーズを掲げている大分県において、残念ながら豊後大野市には温泉はありません。皆さんは「豊後大野市」について聞いたことがありますか?恐らく、豊後大野市は多くの方々に馴染みのない地域だと思います。しかし、この記事を読んだ後には、多くの人に知られていない豊後大野市ならではの宝物を発見できることでしょう!
原尻の滝:春風に揺れるチューリップの波
豊後大野市と言えば欠かせないのが「原尻の滝」です。私が豊後大野市に来て最初に訪れた名所がこの滝でした。広大な平野の中に突如現れる巨大な滝に圧倒された記憶が今でも鮮明に残っています。友人が豊後大野市に遊びに来たら、最初に紹介する場所でもあり、5年間何度も訪れたのですが、この滝が最も美しい季節は春だと思います。毎年春になると、原尻の滝周辺は色とりどりのチューリップに囲まれます。130種類、28万球のチューリップが広がる光景は本当に圧巻です。チューリップフェスティバルの時期が終わると、周辺は田んぼや畑に変わるので、春だけに見られる風景でもあります。
チューリップの時期でなくても、もちろん訪れる価値はあります! 幅120m、高さ20mの巨大な滝から落ちる水は、まるで滝の周りが自然の大きな舞台のような印象を与えてくれます。滝の向かいには空中から滝を楽しめる吊り橋「滝見橋」があり、四方から滝を大きく一周できるようになっています。
滝の向かいには小さなジェラート店(Gelatoya Milk Farm Frushou)があり、原尻の滝の楽しみ方の一つとして、観光客のみならず地元の方々にも愛されています。季節ごとに異なる味の手作りジェラートを味わいながら、涼しい滝を眺めるのもおすすめです。
原尻の滝周辺の平野には田んぼが広がっており、滝から少し離れたところには、ここで育てたお米を使って酒を造る酒蔵もあります。私がオススメする場所は「鷹来屋」で、酒蔵の向かいには「Takakiya Garden SASARA」という素敵なカフェがあり、酒蔵ならではの発酵食メニューや簡単な試飲が楽しめます。もちろん、お酒の購入も可能です!
普光寺:暑い夏の静かな癒しの場所
普光寺は巨大な磨崖仏と紫陽花で有名なお寺です。崖に刻まれた磨崖仏は、近くで見ると一目では見えないほど大きいのですが、その高さが11.3mの日本最大級の磨崖仏です。大分県は約9万年前の阿蘇山大噴火の影響により地層が柔らかく、磨崖仏が特に多く残っていると言われています。普光寺の磨崖仏はそれよりもさらに古い約12万年前の火砕流でできた岩壁に刻まれたものです。
磨崖仏の右側にある丸い洞窟のような形が目を引きます。お寺の下に続く散歩道を歩くと、自然とこの洞窟へ続く道に繋がります。急な崖に作られた洞窟の舞台からは、普光寺周辺に広がる紫陽花を一望できます。谷のような形をした山に囲まれた普光寺は「紫陽花寺」とも呼ばれるほど紫陽花が有名な場所で、毎年6月中旬には約2000本の紫陽花が寺の周囲を彩ります。九州の夏は厳しいのですが、普光寺の紫陽花を見ると、なぜか暑い夏も涼しく感じられる気がします。
用作公園:秋色に染まった紅葉の舞
秋に特におすすめしたい紅葉の名所、用作公園は池を囲む美しい紅葉が見どころの公園です。毎年11月頃に開催される「もみじ祭り」の期間中にはライトアップが行われ、暗くなった夜に赤く染まった紅葉をより鮮明に楽しむことができます。更に、もみじ祭り期間中は池の上に小さなステージが設けられ、夜神楽が披露されます。日本の文化をより身近に感じることができる特別なイベントですので、秋の旅行先としてぜひおすすめしたいスポットです。
この原稿を作成している今も、用作公園ではもみじ祭りが開催されており、写真を見ると、祭りに行った思い出が蘇ります。九州は日本では温暖な地域でありますが、山の中の公園は日が落ちるとかなり肌寒くなりますので、暖かい上着を必ず持参してください!
九州オルレ奥豊後コース:歩いて楽しむ豊後大野・竹田
朝地駅からスタートし、隣の竹田市でゴールする九州オルレ奥豊後コースは、11.8kmのウォーキングコースで、日本の田園風景から歴史的な遺跡、温泉まで様々な風景が同時に感じられる中級レベルのコースです。先ほど紹介した用作公園や普光寺を通るコースなので、トレッキングが好きな方はもちろん、他の人とは少し異なる特別な旅がしたい歩き旅の方にもおすすめです。
個人的には2回目のオルレというのもあり、全体的なコースのレベルは無難でしたが、竹田市に入り岡城に向かう登り坂はかなり大変でした。しかし、岡城を通るとその後は下り坂が続き、ゴールである豊後竹田駅の近くには温泉(竹田温泉花水木)もあるので、歩きながらかいた汗を流すにぴったりのコースです。竹田温泉花水木の前からは熊本行きの高速バスも乗れるので、旅行の計画を立てるのにも便利かもしれません。
最後に、旅行の合間に少しリラックスできる豊後大野市のおすすめカフェを2軒ご紹介します。
森のカフェゆるり
豊後大野市で最もおすすめしたいカフェ「森のカフェゆるり」は週ごとに変わるランチプレートが楽しめるカフェです。料理からデザート、ジャム、ドレッシング、パンまで全て手作りなので、心のこもった一品が提供されます。店内は静かで落ち着いた感じなので、ひとりで過ごすにも最適なカフェです。
cafe Green Brown

森のカフェゆるりでランチを楽しんだ後は、デザートとしてcafe Green Brownのパフェをおすすめします。cafe Green Brownのパフェは、アイスクリーム、フルーツ、プリン、ケーキなど、様々なデザートが一度に味わえるので、見た目はもちろん、味も絶品です。いちごや桃、栗など季節に合わせた食材を使った季節限定パフェもあり、これもcafe Green Brownの楽しみの一つでした。
豊後大野市の名所からグルメまで、私が好きな豊後大野市の色々な場所をご紹介しました。別府や湯布院など、大分県の温泉地は今や韓国でも有名な観光地となっていますが、よりディープで、他の人にはあまり知られていない大分県の魅力を味わいたい方は、豊後大野市にぜひ一度訪れてみてください!