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Another Sky-第2のふるさと-

  • 〔鹿児島県〕南の宝 鹿児島
  • 2025-01-20
  • 金孝眞(キム・ヒョジン)

    鹿児島県 2019年4月~2024年4月 CIR

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     鹿児島県は、日本本土の西南部に位置し、南北600kmに及ぶ広大な県土を有しています。縦に長い鹿児島県は、今も火山活動を続ける桜島、良質の天然温泉、3つの世界遺産、28の特色ある有人離島、個性ある歴史と多彩な文化、素朴な味わいの郷土料理など、多様な魅力にあふれています。

     本日は、5年間の思い出が詰まった「第2の故郷、鹿児島」についてご紹介します!

    鹿児島のシンボル、活火山 桜島
     鹿児島のシンボルといわれる桜島は、北岳と南岳の2つの火山が南北に連なった複合火山で、今も噴煙を上げ続ける活火山です。1914(大正3)年に発生した大正大噴火は、58名の死者・行方不明者を出した、20世紀日本最大規模の火山災害で、当時、30億トンの溶岩が流出し、島だった桜島が東側の大隅半島と陸続きとなりました。驚くべきことは、この活火山が市内中心部からわずか4~5kmしか離れていない場所に位置しており、ここに約4千人の住民たちが暮らしていることです。この活発な火山活動にもかかわらず、なぜここの住民たちは、桜島に住み続けるのでしょうか。その理由は、簡単です。それは、火山活動による災害より恵みが大きいからです。代表的な例として、桜島の特産物の桜島小みかんと桜島大根の生産があります。火山灰が堆積した土壌は、水はけがよく、農作物の栽培に最適で、ここの住民たちは、こういった土の特性を活かして美味しい農作物を栽培します。特に、桜島のみかんと大根は、ギネスブックにも登録されるほどの驚きの大きさを誇ります。各「世界一小さなみかん」と「世界一大きな大根」として登録され、今や桜島を代表する特産物となりました。ちなみに、桜島大根のギネス記録は、重さ31.1kg、胴回り119cmです!

         
                  桜島                   桜島フェリー

     では、火山活動による恵みには、他に何があるでしょうか。それは、火山活動で形成された天然温泉です。特に、桜島南部の有村海岸では、天然温泉掘り体験ができ、砂浜をほんの少し掘るだけで40℃前後の温泉が湧き出てきて、マイ足湯を楽しむことができます。皆さんも、雄大な桜島を望みながら、大自然の感動を直接肌で感じてみるのはいかがでしょうか。また、「桜島溶岩なぎさ公園」内に全長約100mと日本最大級の足湯があり、旅行で疲れた足に癒しを与えてくれます!

     鹿児島のシンボルの桜島は、都市と共生する、世界的にも珍しい活火山です。皆さんも、桜島を訪れ、大自然の生命の息吹や、活火山とともに暮らす人々の知恵を感じてみてください。

    日本初!2つの世界自然遺産を有する鹿児島県
     鹿児島県は、1993年、白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産に登録された「屋久島」と、2021年、世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の2つの世界自然遺産を有しています。世界自然遺産を2つ有する、日本で初めての都道府県です。

     屋久島は、アニメーション映画「もののけ姫」の舞台となった世界観を生み出す上で、大いに参考にしたと言われている島です。シダや苔で覆われた天然の原生林は、今にももののけ姫の木霊が飛び出しそうな神秘的な雰囲気を醸し出します。特に、樹齢1,000年以上の屋久杉は、威厳ある姿を現し、驚異を感じさせます。その中でも、推定樹齢2,000~7,200年の縄文杉は、樹高25.3m、胸高周囲16.4mと、現在確認されている屋久杉の中で、最大・最長寿の杉と知られています。

         
                  屋久島

     また、2021年7月に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄島北部と西表島で構成されています。奄美大島と徳之島には、アマミノクロウサギをはじめ、絶滅危機の多様な固有種が生息しており、生物多様性の観点において価値が認められています。そして、エメラルド色の海やサンゴ礁、太古の森を思わせる巨大な亜熱帯植物まで、手つかずの自然がきれいに残っています。

         
                  徳之島

    温泉王国 鹿児島
     鹿児島県には、約100の温泉地があり、源泉数は、2,700か所以上で全国2位を誇ります。また、1日に2億2,500万リットル以上が湧出する、まさに全国屈指の温泉王国です。そして、全国的に有名な温泉地以外にも、市街地や小さな町でも温泉マークの付いた看板に数多く遭遇でき、市内にある銭湯の大半が天然温泉で、市電を利用した温泉巡りも可能です。では、鹿児島の2大温泉地の指宿と霧島についてご紹介します!

    ‐指宿
     薩摩半島の南端に位置する指宿市。指宿の名物といえば、砂むし温泉でしょう。ここの砂むし温泉は、地下を通る温泉の熱を利用した天然の砂むし温泉で、世界的にも珍しいといわれます。入浴方法は、浴衣に着替えて砂むし場へ移動します。そして、砂かけさんと呼ばれるスタッフの案内に従い、砂の上に仰向けになります。すると、砂かけさんが約50℃の砂を、顔を除く全身に覆いつくしてくれます。入浴時間は、15分程度で、全身が汗でびしょびしょになります。これは、デトックスや血行促進に効果があるといわれます。人気施設としては、「砂楽」と「砂湯里」が知られており、臨時休館などの詳細については、ホームページをご覧ください。他にも、Tripadvisor「行ってよかった!日帰り温泉&スパ」部門で4年連続1位に輝く、露天風呂「たまて箱温泉」も有名です!

    ‐霧島
     霧島市には、霧島温泉郷をはじめ、霧島神宮温泉郷、妙見・安楽温泉郷、日当山温泉郷の4つの温泉郷があります。代表格ともいえる「霧島温泉郷」は、大小9つの温泉からなり、乳白色の硫黄泉や硫黄炭酸泉など、その泉質も様々です。また、霧島神宮温泉郷には、天然の泥パックが楽しめる露天風呂があり、妙見・安楽温泉郷には、近代日本の幕開けに貢献した坂本龍馬がその妻・お龍と新婚旅行で訪れた塩浸温泉もあります。ちなみに、龍馬夫妻は、日本で初めて新婚旅行をしたカップルとして知られています。

    * 臨時休館などの詳細については、ホームページをご覧ください。

         
                 指宿温泉サイダー              指宿ポケモンマンホール

    ご当地グルメを堪能しよう!

    1.さつまいも
     皆さんは、さつまいもの名前の由来をご存じですか。さつまいもは、17世紀初めに中国から琉球王国(沖縄県)を経て薩摩地域(鹿児島県)へ伝わって以来、日本全国へと広がりました。このように「薩摩(さつま)から伝わってきた芋」として「さつまいも」という名前で呼ばれるようになりました。その名にふさわしく鹿児島県は、さつまいも生産量日本一を占めています。最大の産地らしく、多様な品種を栽培し、さつまいもを使った郷土料理も豊富です。代表的な品種として、べにはるか・安納芋・シルクスイート・紅さつまなどがあります。

    2.本格焼酎
     焼酎王国といわれる鹿児島県には、2,000を超える「本格焼酎」の銘柄があります。本格焼酎には、さつまいもを主原料とした「薩摩焼酎」と、奄美大島などで栽培された黒糖を主原料とした「奄美黒糖焼酎」の2種類があります。薩摩焼酎は、すべて県内で栽培されたさつまいもを使い、蒸留・貯蔵・瓶詰めまで県内で行っています。県内には、80を超える蔵元があり、それぞれの独自の製法により、蔵元ごとの個性ある味わいや香りを楽しむことができます。

    3.黒豚・黒牛・地鶏
    ‐かごしま黒豚
     鹿児島を訪れたら、絶対食べてほしい「かごしま黒豚」。かごしま黒豚の大きな特徴といえば、黒豚に与える、さつまいも入りのエサです。さつまいもで育った黒豚は、脂っぽさがなく、柔らかく、旨みがあります。代表的なメニューとして、黒豚の本来の味が楽しめる黒豚しゃぶしゃぶや、サクサクとした衣に口の中で広がる旨みが楽しめる黒豚とんかつがあります。
    ‐鹿児島黒牛
     日本では、5年に1回、全国で飼育される和牛の品質を競う「全国和牛能力共進会(和牛オリンピック)」が開かれます。鹿児島黒牛は、第11回大会(2017)と第12回大会(2022)で日本一に輝き、2回連続チャンピオンとなり、優れた品質が評価されました。鹿児島黒牛は、きめの細かい肉質とバランスの良い霜降りが特徴で、しゃぶしゃぶ・ステーキ・すき焼きなど、どんなメニューで食べても贅沢な味わいが楽しめます!
    ‐かごしま地鶏
     かごしま地鶏を楽しむなら、鶏刺しをおすすめします。鶏肉を生で食べる風習は、日本でも鹿児島県と宮崎県でしか見られない独特な食文化です。生ならではの独特の歯ごたえと、コクのある旨みが逸品です!ちなみに、居酒屋やスーパーなどで普通に手に入れることができます。

    4.うなぎ・ぶり・かんぱち
     鹿児島県は、海岸線の長さが日本で3番目、漁港の数も日本で5番目で、漁獲量と養殖生産量が豊富な地域です。その中でも、うなぎ・ぶり・かんぱちの養殖生産量は、日本一を誇ります。ちなみに、かんぱちは、アジ科の大型魚で、顔の正面に漢字の八の字に見える線があることから「かんぱち(勘八)」と名付けられたそうです。6~9月の間が旬のかんぱちは、脂ノリノリで歯ごたえの良い逸品です!

     他にも、鹿児島の練り物「さつま揚げ」や、奄美地域を代表する郷土料理「鶏飯」、鹿児島のかき氷「しろくま」など、鹿児島ならではの素朴で懐かしいご当地グルメを堪能してみてください。

          
                鶏刺し                    しろくま

     仁川空港から直行便で1時間30分程度の距離に位置する鹿児島。すぐそこに南国ムードあふれる鹿児島があります。この冬、温暖な気候やエメラルド色の海、ずらりと並んでいるヤシの木が異国情緒を醸し出す鹿児島へ、旅に出かけてみませんか。