ソウル事務所では、2009年度に韓国地方行政研究院(KRILA)※と「協力及び情報交流に関する協約(MOU)」を締結し、研究会及びセミナーの開催を、毎年共同で行っています。
今年度は、「地域課題への対応のための地域レジリエンス強化と地域活性化」をテーマに開催しました。
※韓国地方行政研究院(KRILA)・・・韓国行政安全部の傘下で、韓国の地方自治に関して総合的な政策研究を行う機関
https://krila.re.kr/
【概要】
1 日時:2026年8月11日(火)
2 場所:大韓商工会議所
3 主催:自治体国際化協会、韓国地方行政研究院
4 主題:地域課題への対応のための地域レジリエンス強化と地域活性化
【韓国側基調講演】
「五松地下車道浸水事故が残した課題とAIを活用した災難安全都市・清州のビジョン」
忠清北道清州市長 李將燮氏
2023年に発生した五松地下車道浸水事故の経験と教訓を踏まえ、従来の事後対応中心の災害管理から、AIやデータを活用した予測・事前対応を重視する災害管理への転換について紹介いただきました。また、災害に強く、迅速に回復できる「レジリエント・シティ」の実現に向け、災害経験やAI・データを活用した危険予測技術等を日韓の地方自治体間で共有・協力していくことの重要性についてお話しいただきました。
【日本側基調講演】
「人口減少時代の地方自治体の取組 ~気仙沼市の挑戦~」
宮城県気仙沼市長 菅原 茂 氏
東日本大震災により甚大な被害を受けた気仙沼市における復興の歩みと、震災から得られた経験・教訓を踏まえた地域づくりについて紹介をいただきました。また、人口減少等の地域課題に向き合いながら、地域の持続可能性を高めるための取組についてお話しいただきました。
【日本側主題発表】
「人から始まる地方創生〜「気仙沼まち大学構想」10年の歩みとこれから〜」
大学院大学至善館 副学長 大滝 精一 氏
東日本大震災からの復興を契機として気仙沼市で進められてきた、人材育成を軸とした地域づくりについて紹介いただきました。「人」を地域の重要な資源と捉え、若手・中堅世代を中心とした人材育成や新たな挑戦を支援することで、新たな事業や活動を生み出し、地域全体の活性化につなげてきた「気仙沼まち大学構想」の取組と、今後の課題についてお話しいただきました。
【韓国側主題発表】
「地方災難管理とAIイノベーション」
韓国地方行政研究院 地方災難安全研究センター長 李卿銀 氏
複雑化・多様化する災害に対応するため、地方自治体の災害管理にAIを活用する意義や、韓国の自治体における具体的な活用事例について紹介いただきました。また、AIの導入にとどまらず、予防・備え・対応・復旧の各段階をつなぎ、AIによる分析を実際の判断や行動に結び付けることの重要性や、持続可能なAI災害管理に向けた国と地方自治体の役割についてお話しいただきました。
【総合討論】
座長として、イ・ジェウン忠北大学教授による進行の下、日本側からは、大学院大学至善館・大滝精一副学長、井田寛子気象予報士、韓国側からは、韓国地方行政研究院・李卿銀地方災難安全研究センター長、行政安全部・李日領災難安全データ課長、韓国行政研究院・吳潤京災難安全研究室長が参加しました。
基調講演及び主題発表を踏まえ、災害への対応力を高めながら、地域の持続可能性や活力をどのように確保していくかについて、日韓双方の事例や知見をもとに意見交換が行われました。