ソウル事務所では、2009年度に韓国地方行政研究院(KRILA)*と「協力及び情報交流に関する協約(MOU)」を締結し、研究会及びセミナーの開催を、毎年共同で行っています。
今年度は、「地方行政の革新と地域活性化」をテーマに開催しました。
*韓国地方行政研究院(KRILA)・・・韓国行政安全部の傘下で、韓国の地方自治に関して総合的な政策研究を行う機関
[http://www.krila.re.kr/]
【概要】
1 日時:2025年10月14日(火)
2 場所:銀行会館 国際会議室
3 主催:日本自治体国際化協会、韓国地方行政研究院
4 主題:地方行政の革新と地域活性化
【韓国側基調講演】
「「地方消滅および人口危機の克服!」生活人口拡大に向けた公州市の取り組み」
忠清南道公州市長 崔源哲 氏
公州市における、百済時代の都であったエリア(王都心エリア)の活性化策や、四季祭りの開催等、滞留型観光を促進する施策の展開と各種の文化プログラムの整備を通じて、生活人口を増やし、地域の活力を取り戻した事例について紹介をいただきました。
【日本側基調講演】
「守山市のまちづくりについて」
滋賀県守山市長 森中 高史 氏
フラットでコンパクトな地形や交通の利便性が特長である「住みよい街」守山市における、琵琶湖を活用した観光振興、スタートアップ支援や官民連携の推進、さらには地域公共交通の確保に関する施策について紹介をいただきました。
【日本側主題発表(セッション1)】
「風土自治の実践」
一般社団法人Satoyakuba 代表理事 田林 信哉 氏
福島県南相馬市での勤務を通じて感じた「地域を創る当事者意識」をどう育むか、との問題意識と、その問題に取り組むため、兵庫県丹波篠山市で実践している「風土自治」の考え方について紹介をいただきました。
【韓国側主題発表(セッション1)】
「住民中心、地方主導のスマート地方行政の現状と課題」
韓国地方行政研究院 スマート地方行政研究センター長 李在容 氏
多様化・複雑化する行政需要について、最前線で住民と共に解決に向けた対応を担う地方自治体において、データ及びデジタル技術に基づいた「スマート地方行政」を推進する必要性やその現状と課題、今後の改善方向について提言をいただきました。
【日本側主題発表(セッション2)】
「長崎県の海外交流と地域文化」
長崎県ソウル事務所長 朝長 浩志 氏
長崎県が古くから韓国や中国、西洋などと築いてきた交流の歴史と、そこから育まれた独自の文化、さらにそうした背景を生かして現在取り組んでいる地域の活性化や国際的な連携について紹介をいただきました。
【韓国側主題発表(セッション2)】
「人口減少地域における観光プロファイリング分析」
韓国観光公社観光コンサルティングチーム 責任研究員 林慧美 氏
「地域の人口減少危機に、観光はどのような解決策を提示できるか」との問いへの解決策として、観光生活人口の概念と、地域の特徴を分析する技法としての「観光プロファイリング分析」、そして同分析技法を自治体で活用した事例について紹介をいただきました。
【総合討論】
座長として、ユ・ミンボン大韓民国市道知事協議会事務総長による進行の下、日本側からは、
森中高史滋賀県守山市長、田林信哉一般社団法人Satoyakuba代表理事、朝長浩志長崎県ソウル事務所長が、韓国側からは、金相敏忠南大学校都市自治融合学科敎授、李在容韓国地方行政研究院スマート地方行政研究センター長、林慧美韓国観光公社観光コンサルティングチーム責任研究員が参加しました。
基調講演及び主題発表を踏まえ、各参加者の立場で発表・ご意見をいただき、積極的な議論がなされました。